「体重を◯kg減らす」だけじゃない、現実的な目標の立て方
ダイエットを始めるとき、多くの人がまず「〇キロ痩せたい!」という“結果目標”を設定します。もちろんそれ自体はモチベーションになりますが、実はそれだけでは挫折しやすくなってしまいます。理由は、「体重の変化」はすぐに出るものではなく、日々の行動によって少しずつ結果が出るものだからです。
そこでおすすめなのが、「結果目標」ではなく「行動目標」を立てることです。
行動目標とは?
行動目標とは、「毎朝ストレッチを3分する」「間食は1日1回までにする」「水を1日1.5L飲む」など、自分の行動そのものにフォーカスした目標のことです。
このような目標は、
-
達成できたかどうかが明確
-
成功体験を積みやすい
-
習慣として定着しやすい
というメリットがあります。
SMARTの法則を活用しよう
目標設定に迷ったときは、「SMARTの法則」を参考にすると役立ちます。
-
S(Specific):具体的に(例:運動をする → 毎朝10分のウォーキング)
-
M(Measurable):測定可能(例:週3回など)
-
A(Achievable):達成可能(無理のない範囲)
-
R(Relevant):目的に合っている(痩せたいという目標と一致)
-
T(Time-bound):期限がある(2週間や1ヶ月など)
例えば、以下のような目標が良い例です。
→「今週は3回、夕食後に15分歩く」
→「今月は間食を1日1回までにする」
これなら実行できるかどうかも明確ですし、小さな達成が自信につながります。
最初の一歩は「決意」ではなく「小さな習慣」
ダイエットは意気込みや決意だけでは続きません。まずは、日常生活の中に無理なく取り入れられる“行動目標”を一つ決めること。これが、長く続けるための確かな第一歩になります。
第2章:食事の基本を整える(制限より“バランス”)
食べること=悪ではない!極端な制限が失敗のもと
「ダイエット=食べないこと」と考えていませんか?これは大きな誤解です。
確かに摂取カロリーを抑えれば一時的に体重は落ちますが、過度な食事制限は代謝の低下・栄養不足・リバウンドのリスクを高めるなど、逆効果になりやすいのです。
ダイエットで大切なのは、「量を減らすこと」ではなく「内容を整えること」。栄養バランスを意識した食事を、無理なく習慣化することが、健康的に痩せる近道です。
3食しっかり食べるのが基本
「朝は抜いた方が痩せるんじゃない?」という声もよく聞きますが、むしろ逆効果。空腹時間が長いと、次の食事で過食しやすくなり、血糖値の急上昇にもつながります。血糖値が乱れると脂肪が蓄積されやすくなるため、1日3回、適量をしっかり食べることが基本です。
主食・主菜・副菜を意識してバランスよく
コンビニ弁当や外食では炭水化物に偏りがちです。簡単にできるバランスの整え方は以下の3点を意識すること。
-
主食(エネルギー源):ごはん・パン・麺など(できれば玄米や全粒粉に)
-
主菜(たんぱく質):肉・魚・卵・豆腐など(脂身は控えめに)
-
副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維):野菜・きのこ・海藻などをたっぷり
この「主食・主菜・副菜」の三点セットを意識するだけでも、栄養バランスはぐっと良くなります。
今日からできる!小さな改善ポイント
すぐに実践できる食生活の改善ポイントをいくつか紹介します:
-
よく噛んでゆっくり食べる:満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止に
-
ジュース・砂糖入り飲料は控える:飲み物の糖分は意外と多い
-
加工食品を減らす:塩分や脂肪が多く、満腹感が得にくい
-
「腹八分目」を習慣に:満腹ではなく「少し余裕がある」くらいでやめる
食事は我慢ではなく“選び方”で変わる
ダイエット中でも、美味しく、満足感のある食事は可能です。ポイントは「我慢する」のではなく、「何を選んで、どう食べるか」を意識すること。ストレスのない食事管理こそ、長く続けられる鍵です。
日常生活に運動を取り入れる(ジム不要)
特別なトレーニングは不要!動くことから始めよう
「運動=ジムに通う」「ランニングしなきゃ」と思っていませんか?
もちろんそれができれば素晴らしいことですが、続けられなければ意味がありません。ダイエットにおいて大事なのは、“継続できる形で体を動かす”ことです。
実は、日常生活の中で体をこまめに動かすだけでも十分効果があります。
「ながら運動」を習慣に
以下のような「ながら運動」なら、忙しい人でも取り入れやすいです。
-
歯磨き中にかかとの上げ下げ(ふくらはぎの引き締めに)
-
テレビを見ながらストレッチ(股関節や肩こりの改善にも)
-
洗濯物を干しながらスクワット風にしゃがむ
-
通勤時に1駅多く歩く、階段を使う
こうした小さな動きでも、消費カロリーの積み重ねになり、代謝が上がって痩せやすい体に変わっていきます。
自宅でできる簡単エクササイズ
わざわざ外出しなくても、自宅でできる運動はたくさんあります。
スマホやYouTubeで「宅トレ(自宅トレーニング)」を検索すると、初心者向けの動画が多くあります。ここでは簡単な運動例を紹介します。
-
その場足踏み(3分):テレビを見ながらできる有酸素運動
-
プランク(20秒〜):お腹周りの引き締めに効果的
-
スクワット(10回):お尻・太ももを中心に鍛えられる
-
ストレッチ(寝る前):体をほぐし、睡眠の質向上にも
「毎日10分」など、短時間でも継続すれば確実に変化が出てきます。
アプリやツールを活用して楽しく継続
モチベーションを保つには、可視化や記録も効果的です。
おすすめのツールや方法:
-
歩数計アプリ:毎日の歩数を確認し、目標を設定できる
-
宅トレアプリ(例:Nike Training Club、30日フィットネス)
-
YouTubeでお気に入りの運動系チャンネルを登録
-
体重や体調を記録する日記やアプリ(あすけん・FiNCなど)
楽しさや達成感を得られる仕組みを作ることで、「面倒くさい」を減らせます。
無理な運動より“ちょっとした習慣”が効く
ダイエットは特別な運動をすることよりも、「動く習慣を日常に取り入れる」ことが大切です。“頑張る”より“続けられる”を重視して、毎日の生活に少しずつ動きを増やしていきましょう。
体重以外の「成果」にも目を向ける
体重はすぐに動かない。でも確実に“変化”は始まっている
ダイエットを始めて1週間、「全然体重が減らない…」と落ち込んだ経験はありませんか?
実は、体重は最も“見えにくい成果”の一つです。特に運動を取り入れ始めると、筋肉がついて一時的に体重が増えることもあります。でも、それは悪いことではありません。
だからこそ、体重だけにとらわれず、他の“前向きな変化”に気づくことが大切です。
ダイエットの“見えない成果”とは?
ダイエットで得られる成果は、数字だけではありません。例えば:
-
体が軽くなったと感じる
-
階段の上り下りが楽になった
-
朝スッキリ起きられるようになった
-
便通がよくなった
-
肌の調子が整ってきた
-
ストレスが減って気分が前向きになった
これらはすべて、健康的に体が整い始めているサインです。こうした「変化」に目を向けることで、自信が生まれ、継続するモチベーションにもなります。
ダイエット日記や写真記録のすすめ
目に見える変化を記録することで、自分の成長を実感しやすくなります。
ダイエット日記に書くと良いこと:
-
今日の食事や運動内容(ざっくりでOK)
-
気づいた体の変化や気分の変化
-
達成できたこと、小さな成功体験
-
翌日の目標ややることリスト
写真記録のコツ:
-
毎週同じ時間・同じ服装で撮影
-
横向き・正面・後ろ姿の3方向
-
最初の写真と比べると、モチベーションが大きく上がる
特に、見た目の変化は数字よりも早く出ることがあります。「あれ?お腹ちょっと引き締まってきたかも?」という発見は、何よりのご褒美になります。
周囲からの反応も“隠れた成果”
「最近ちょっと痩せた?」と周囲から言われると、自分では気づかなかった変化にハッとします。これは、他人の目を通して見える成果です。
ダイエットのモチベーションが落ちてきたときは、過去の写真を見返したり、周囲の声を思い出して、自分が積み重ねてきたことを認めてあげましょう。
数字よりも“実感”が大切
体重はあくまで目安の一つ。
それよりも、体調・見た目・気分などのポジティブな変化に目を向けることで、「続ける価値」が見えてきます。
小さな変化を大切にして、自分のペースで成長していきましょう。
挫折しないための工夫とリセット術
ダイエットが「続かない」のは普通のこと
ダイエットは、多くの人が途中でやめてしまったり、思うような結果が出ずに落ち込んだりするものです。
でもそれは、「あなたに意志が足りない」からではありません。人間の脳は“変化”や“我慢”を嫌う性質があるため、ダイエットが続かないのはむしろ自然な反応なのです。
だからこそ、途中で止まってしまっても自分を責めないこと。そして、リセットして再開する方法を“仕組み”として用意しておくことが重要です。
「サボってもOK」の心構えを持とう
1日食べすぎた、運動をサボった…そんなときに「もうダメだ」と全部を投げ出してしまうのは、非常にもったいないことです。
ダイエットにおいては、「続けられる人」=「失敗しても立て直せる人」です。
リセットのためのマインドセット:
-
1回の失敗は“脱線”ではなく“休憩”と捉える
-
翌日からまた戻れば、何も問題ない
-
完璧主義を捨て、**“70点主義”**を目指す(7割できていればOK!)
モチベーションを維持する工夫
モチベーションが下がるのは当然。そこで、日常的に「やる気を取り戻す仕掛け」を用意しておきましょう。
モチベーション維持の方法:
-
SNSやブログで日々の進捗を発信(共感・応援が力になる)
-
目に見える目標リストを紙に書く(冷蔵庫やデスクに貼る)
-
ダイエット仲間を作る(家族や友人でもOK)
-
ご褒美制度をつくる(「1週間頑張ったら新しい服を買う」など)
小さな目標と報酬のサイクルを回すことで、楽しく継続することができます。
習慣化のコツ:タイミングと“ついで”を味方にする
習慣は「何をやるか」より「いつやるか」で決まります。
たとえば、「寝る前にストレッチする」「歯を磨いた後に筋トレする」など、既にある習慣の“ついで”に行動を乗せると、無理なく定着しやすくなります。
これを心理学では「習慣の連鎖(Habit stacking)」と呼び、習慣化の王道テクニックです。
「続けるコツ」は“立ち止まり方”にある
ダイエットは、途中で止まっても、また始めれば何度でも成功できます。
だからこそ、「立ち止まっても大丈夫」「リセットしてOK」という柔軟な思考と、自分に合った継続の工夫がとても大切です。
完璧を求めず、できることをできる範囲で。
自分のペースを大切にしながら、前へ進んでいきましょう。
今日から“できること”を1つだけ始めよう
ダイエットは、「特別なこと」ではありません。
むしろ、日常の中の小さな選択や行動の積み重ねこそが、あなたの体と心を変えていきます。
今回ご紹介した5つのステップは、どれも劇的な変化を求めるものではありません。しかし、その分、無理なく始められて、続けやすいものばかりです。
もう一度、ポイントを振り返ってみましょう。
無理なく続ける5つのステップ
-
目標を“行動”で立てよう:数字より、日々の具体的な行動が成功のカギ
-
食事は制限より“バランス”重視:しっかり食べて、太りにくい体をつくる
-
運動は“ながら”でOK:ジムに行かなくても、日常生活に動きをプラス
-
体重以外の“変化”にも気づこう:気分・見た目・体調も大切な成果
-
挫折しても“立て直す力”を身につけよう:サボってもOK、また戻ればいい
自分を大切にするためのダイエットを
最後にお伝えしたいのは、ダイエットは自分を責めるためのものではないということ。
痩せることが目的ではなく、より健康で、より前向きな自分に出会うためのプロセスです。
だからこそ、焦らず、自分のペースで、一歩ずつ進めば大丈夫。
今日この瞬間から、できることを一つだけ始めてみてください。それが、未来のあなたをつくる第一歩になります。